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会計事務所の面接で「キャリアプランは?」と聞かれたら|相手が確かめたいのは夢ではなく「うちで何年、何をするか」です

税理士事務所や会計事務所の面接で、ほぼ必ず出てくる質問があります。

「今後のキャリアプランを教えてください」。

聞かれた側は、つい立派な将来像を答えようとします。「いずれは税理士になって、中小企業の経営を支えたいです」。間違いではありません。ただ、この答えだけだと、面接官の手元には判断に使える材料がほとんど残りません。

この質問で事務所が確かめたいのは、夢の大きさではないからです。この記事では、質問の裏にある確認点と、立場ごとの答え方を整理します。

事務所がこの質問で確かめている3つのこと

小さな事務所ほど、1人の採用が職場全体に響きます。だから「キャリアプラン」という言葉の中に、次の3つがまとめて入っています。

確かめたいこと面接官の頭の中答えに入っているとよいもの
① 続くか入ってすぐ辞めないか、繁忙期を越えられるかこの事務所でしばらく腰を据える理由
② 何を担いたいか入力・月次・決算・顧問先対応のどこまで伸びる人か最初の数年で任されたい仕事の段
③ 事務所の形と合うか独立志向か、組織で上がりたいか、分野を絞りたいか自分の方向と、事務所の顧客層・体制の重なり

一般企業の面接と違うのは、③の重みです。税理士事務所は、事務所によって顧客層も仕事の分け方も大きく違います。同じ答えでも、ある事務所では歓迎され、別の事務所では「うちでは叶わない」と受け取られます。

面接全体で聞かれることの種類と、その判断軸は士業事務所の面接で実際に聞かれること|質問の裏にある判断軸と、聞かれないはずのことにまとめています。この記事は、そのうち「キャリアプラン」の1問に絞った話です。

答えは「近い話 → 遠い話」の順に組む

キャリアプランの答えでつまずく人の多くは、遠い話から始めて、近い話をしないまま終わります。順番を逆にするだけで、伝わり方が変わります。

1. 入所してから最初の時期に、何ができるようになりたいか(仕事の段で言う) 2. その先に、どの仕事・分野を任されたいか(この事務所の顧客層に触れる) 3. 資格や将来の方向をどう考えているか(正直に、ただし短く)

1と2は、事務所の中で起きることです。面接官はここで「この人に何を任せられるか」を具体的に思い描けます。3は、それを支える背景として添える程度で足ります。

補助の仕事がどういう段で広がっていくか(記帳・入力 → 月次 → 決算・申告書の作成 → 顧問先対応 → チェックと指導)は、税理士補助のキャリアアップは、資格だけで決まるわけではない|「任される範囲・分野・職場」の3本で考えるで書いています。1と2を答えるときは、この段の言葉を使うと、面接官と話が噛み合います。

立場ごとの答え方

税理士試験を続けている人

いちばん多い立場で、いちばん聞かれ方が細かくなります。事務所が知りたいのは「合格したら辞めるのか」「勉強と仕事の比重はどうなるのか」です。

伝えたいのは次の3点です。

  • どの科目を受けていて、どういう順で進めるつもりか
  • 繁忙期と試験の時期が重なることを、どう考えているか
  • 合格したあと、この事務所でどう働きたいか(すぐに独立するつもりかどうかを含めて)

例:「いまは会計の科目を受けていて、そのあと税法の科目に進むつもりです。繁忙期に勉強の時間が減るのは前提にしていて、その時期は仕事を優先するつもりです。合格までのあいだに、決算の作成まで一人で任されるところまで行きたいと考えています。」

科目の合格が採用でどう見られるかは、税理士試験の科目合格は、転職でどう見られるのか|1科目と3科目で扱いが変わる理由を参考にしてください。

いずれ独立したい人

隠さなくて構いません。 独立志向の人を歓迎する事務所もあれば、長く勤めてほしい事務所もあります。取り繕って入ると、入所後に必ずずれます。

ただし、「独立したいです」だけで終わると、①続くか への答えが空白になります。独立までのあいだに、この事務所で何を身につけたいかを必ずセットにしてください。

例:「将来は独立も考えています。そのために、顧問先とのやり取りを含めて一社を最初から最後まで担当できる経験を、ここで積みたいと思っています。」

独立か勤務かの分かれ道そのものは、税理士のキャリアパスは4本ある|「独立するかどうか」の前に決まっている分かれ道で整理しています。

資格は取らない(または、まだ決めていない)人

「資格を取るつもりはありません」は、それだけで不利な答えではありません。 補助スタッフとして実務を長く支える人を求めている事務所は多くあります。

この場合は、①続くか と ②何を担いたいか を厚くします。

例:「試験を受ける予定はいまのところありません。そのぶん、実務を長く続けたいと考えています。まず月次の締めを安定して回せるようになり、そのあと顧問先への報告まで任されるようになりたいです。」

まだ決めていないなら、そう言って構いません。 決めていないことを決めたように話すより、「いつまでに、何を見て決めるつもりか」を添えるほうが信頼されます。

未経験から入る人

未経験の人に、面接官は具体的な業務の段を期待していません。見ているのは、最初の時期を越えられるかと、なぜこの仕事なのかが一貫しているかです。

例:「最初は入力や資料の整理から覚えることになると理解しています。まずはそこを正確に、早くこなせるようになり、そのうえで月次の数字の見方を身につけたいと考えています。」

未経験の採用で事務所が実際に見ていることは、未経験から士業事務所へ転職できるのか|採用する側が実際に見ている3つのことと、資格の扱われ方にまとめています。

避けたほうがいい答え方

答え方なぜ伝わりにくいか
「経営者に寄り添える税理士になりたい」だけで終わる事務所の中で何をしたいかが一つも入っていない
「いろいろな経験を積みたい」その事務所の顧客層に無い分野まで含むと、③で合わないと判断される
「合格したら独立します」を先に言い、あとを続けない①続くか への答えが「すぐ辞める」だけになる
事務所の取扱分野を調べずに、特定の分野への強い希望を話す「うちでは叶わない」と受け取られる
前の職場の不満から話し始めるキャリアプランではなく退職理由の話になる

特に4つ目は、事前に防げます。 事務所のサイトや求人票に書かれた取扱分野・顧客層を見てから、②で触れる分野を選んでください。

答えを準備するときの材料

面接の前に、次を書き出しておくと、答えが組み立てやすくなります。

  • いまできる仕事が、補助の段のどこまでか
  • 扱ったことのある業種・分野と、使っていた会計ソフト
  • 受験の状況(受けている科目、受けていない場合はその考え)
  • 応募先の事務所の取扱分野・顧客層(サイト・求人票で確認)
  • 自分の方向と、その事務所の形が重なるところ

1〜3の材料は、そのまま職務経歴書にも使えます。士業事務所向けの書き方は士業事務所の職務経歴書は、一般企業の書き方だと伝わりません|何を書くかを参考にしてください。経歴書と面接で話す内容をそろえておくと、話がぶれません。

よくある質問

キャリアプランの答えは、どのくらいの長さがいいですか

面接の流れにもよりますが、近い話・その先の話・資格や方向の話を、それぞれ一言ずつくらいにまとめておくと、話しすぎを防げます。面接官が関心を持てば、そこから質問が続きます。最初から全部を話そうとしないほうが、やりとりになります。

「3年後・5年後にどうなっていたいか」と聞かれたら

同じ質問を、時間で区切って聞いていると考えてください。近い時期は仕事の段で、遠い時期は方向で答えると整理しやすくなります。遠い時期の話が決まっていなければ、「そのころまでに決めたいと考えていること」を答えても構いません。

本当は独立したいのですが、言うと落ちそうで不安です

独立志向を歓迎しない事務所はあります。ただ、その事務所に入っても、あとで同じことで揉めます。正直に伝えたうえで、この事務所で身につけたいことをはっきり示すほうが、合う事務所に出会いやすくなります。

面接で、自分からキャリアの道筋を聞いてもいいですか

聞いて構いません。「補助の方は、どういう順番で担当を持つようになっていますか」「顧問先とのやり取りを任されるのは、どういう段階からですか」と聞けば、事務所の側にキャリアの道筋が用意されているかが分かります。答えが具体的かどうかも、判断の材料になります。

まとめ

  • 「キャリアプランは?」で事務所が確かめているのは、①続くか ②何を担いたいか ③事務所の形と合うか
  • 答えは近い話(最初の時期に任されたい仕事)から組み、資格や将来の方向は短く添える
  • 受験中・独立志向・資格を取らない・未経験、どの立場でも不利な答えはない。ただし①②を空白にしない
  • 応募先の取扱分野と顧客層を調べてから、触れる分野を選ぶ
  • 独立志向は隠さない。そのあいだに、ここで何を身につけるかをセットにする

面接で話すキャリアプランは、将来の約束ではありません。「この事務所で、自分はこういう順番で役に立つ」という見取り図です。そこが伝われば、答えの立派さは問われません。

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<p style=”margin:.6em 0 0;color:#5b6b7c;font-size:.92em”>確認日:2026-09-17。本記事は一般的な情報の整理であり、個別の就職・転職に関する助言ではありません。面接で聞かれる内容や採用の基準は事務所によって異なります。税理士試験の制度や税理士の登録要件は、日本税理士会連合会・国税庁の案内で最新の内容をご確認ください。採用条件や業務内容は各事務所の募集要項をご確認ください。</p>

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