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給与計算を外注するといくらか|「基本料+従業員1人あたり」の読み方と、顧問料に含まれない理由

給与計算を外に出したい。そう思って見積を取ると、事務所によって金額の出し方がまるで違うことに気づきます。月額いくらと即答するところもあれば、就業規則を見せてくださいと言われるところもある。
理由ははっきりしています。給与計算の費用は「基本料金+従業員1人あたりの単価」で組まれるのが一般的で、この単価が、人数ではなく「計算の複雑さ」で動くからです。同じ10人でも、全員が固定給の会社と、シフト制で深夜手当があり月の途中で入退社がある会社とでは、手間が違います。
この記事では、費用の組み立て方、同じ人数でも金額が変わる理由、社労士の顧問料に含まれないことが多い理由、依頼前に確認すべき項目を整理します。金額は事務所ごとに異なるため、ここでは決まり方と確認のしかたに絞ります。
目次

費用は2階建てで組まれている

給与計算の外注費は、ほとんどの事務所が次の2つを足して見積を出します。

区分 何のお金か 動く要因
基本料金(月額) 受託・データ管理・支給明細の作成体制 会社数、給与の締め日と支給日のサイクル
従業員1人あたりの単価 1人分を計算する手間 雇用形態の種類、手当の数、勤怠の集計方法

「1人あたり◯円」だけを比べても意味がありません。基本料金に何が入っているかが事務所ごとに違うためです。比べるなら、自社の人数を入れた総額で揃えてください。

見積を取るとき、「従業員◯名です」だけを伝えると、返ってくる金額は当てになりません。正社員・パート・アルバイトの内訳、月の途中で入退社が何件あるか、勤怠を何で集計しているか(タイムカード、エクセル、勤怠システム)まで伝えると、後から増える見積になりにくくなります。

同じ人数でも金額が変わる4つの理由

「うちは10人なのに、知り合いの会社より高い」ということが起きます。たいてい次のどれかです。

要因 なぜ手間が増えるか
雇用形態が混在している 時給・日給・月給が混ざると、計算のルールが人によって変わります
変形労働時間制・シフト制 残業の起算が単純な週40時間ではなくなり、集計の前段が増えます
手当の種類が多い 通勤、住宅、資格、皆勤。課税・非課税の区分がそれぞれ違います
締めから支給までが短い 月末締め翌月10日払いのように作業日数が少ないほど、体制の負担が上がります

逆に言えば、この4つが単純な会社ほど安く収まります。「高い」と感じたときは、値切る前にどの要因で上がっているのかを聞いてください。手当の整理や締め日の見直しで下がることがあります。

なぜ社労士の顧問料に含まれないのか

社労士に顧問を頼んでいるのに、給与計算は別料金だった。これはよくある行き違いですが、事務所側が不誠実なわけではありません。

顧問料は「相談に乗り、手続きを代行する」対価として設計されているのが一般的です。相談は件数が読めますが、給与計算は毎月必ず、締切のある実務として発生します。性質が違うため、多くの事務所が切り分けています。顧問料に何が含まれ、何が別料金になりやすいかは社労士の顧問料の相場と「何が含まれるか」で整理しています。

顧問契約とセットで頼むと、単体で頼むより安くなることがあります。手続きの前提となる従業員データを事務所側が既に持っているためです。いま顧問がいるなら、まずその事務所に見積を出してもらってから、外部と比べてください。顧問契約に何を入れるかの考え方は社労士の顧問契約は何をしてくれるのかにまとめています。

別料金になりやすい5つ

月額の見積には入っていないことが多い項目です。年間で見ると、ここが総額を左右します。

項目 発生時期 確認しておくこと
年末調整 年1回(11〜12月) 1人あたりの単価か、一式か
賞与計算 支給の都度 回数分かかるのが通例
算定基礎届・労働保険の年度更新 年1回(初夏) 顧問料に含む事務所と、別立ての事務所があります
入退社の手続き 都度 社会保険・雇用保険の資格取得/喪失は給与計算とは別の業務
住民税の更新対応 年1回(5〜6月) 特別徴収税額の反映を誰がやるか

見積を比べるときは、月額×12だけでなく、上の5つを足した年額で並べてください。月額が安いほうが年額では高い、ということが実際に起こります。

依頼前に確認する6項目

# 確認すること なぜ
1 勤怠データを、誰が、どの形式で渡すか いちばん揉めるところ。集計まで含むのか、集計済みを渡すのかで金額が変わります
2 データの締切日 社内の勤怠確定が間に合うか。ここが回らないと外注しても楽になりません
3 明細の配布方法 紙か電子か。電子なら誰のシステムを使うか
4 振込データまで作るか 振込そのものは会社が行うのが通常です
5 間違いがあったときの訂正の扱い 原因が自社側か事務所側かで、費用負担が変わります
6 担当者と連絡手段 締切のある業務です。すぐに連絡が取れない体制だと、締切前に詰みます
外注しても、社内の作業がゼロになるわけではありません。勤怠の確定、入退社の連絡、手当の変更の伝達は残ります。「何が残るか」を先に聞いておくと、導入後の落差がありません。

社労士に頼むか、代行会社に頼むか

給与計算そのものは、社会保険労務士でなくても受託できます。ただし社会保険・労働保険の手続き代行は社労士の業務です。

依頼先 向いている状況
社労士事務所 入退社が多い、就業規則を見直したい、労務の相談も一緒にしたい
給与計算の代行会社 人数が多く、計算業務の量そのものが負担になっている
税理士事務所 すでに記帳や決算を任せていて、まとめて窓口を1つにしたい(手続きは提携社労士が担当することがあります)

入退社の手続きと給与計算を別々の相手に頼むと、同じ情報を2回伝えることになります。ここが手間だと感じているなら、窓口を1つにできる相手を選ぶほうが、月額の差より効きます。記帳の外注費の考え方は記帳代行の費用はどう決まるかで整理しています。

まとめ

  • 費用は「基本料金+従業員1人あたりの単価」の2階建て
  • 単価は人数ではなく「計算の複雑さ」で動く(雇用形態・変形労働・手当の数・締めから支給までの日数)
  • 顧問料に含まれないのが通例。ただし顧問とセットなら安くなることがある
  • 年末調整・賞与・算定基礎・入退社・住民税は別料金になりやすい。年額で比べる
  • 勤怠データを誰がどう渡すかが、いちばん揉める。見積の前に決めておく
本記事は、給与計算を外部に委託する際の費用の考え方を一般的な形で整理したものです(確認日:2026-08-28)。料金体系・対応範囲は事務所によって大きく異なり、記載は特定の事務所の料金を示すものではありません。社会保険・労働保険の手続きの取り扱いを含め、具体的な条件は依頼先に直接ご確認ください。
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