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士業事務所に在宅勤務はあるのか|「リモート可」と書かれていても、何が在宅にできるかは業務で決まる

士業事務所への転職を考えるとき、求人票の「リモート可」ほど当てにならない項目はありません。

一般企業の「リモート可」は、たいてい「週◯日は自宅で働ける」という意味です。ところが士業事務所では、同じ言葉が「繁忙期以外なら相談できる」「入力作業だけは持ち帰れる」「所長が在宅で、スタッフは出所」まで含みます。

そして重要なのは、これは事務所がケチっているからではないということです。在宅にできるかどうかは、事務所の方針より先に「その事務所が何を売っているか」で決まっています。

在宅にしやすい業務・出所が要る業務

士業事務所の仕事を「場所の制約」で並べ直すと、次のように割れます。

業務在宅のしやすさ制約になっているもの
記帳・仕訳の入力しやすいクラウド会計が入っていれば場所を選ばない
給与計算しやすいただし個人情報の扱いが厳しく、環境の指定が入る
申告書・届出書の作成事務所によるソフトがサーバー据置型だと出所が要る
電子申請(e-Gov・e-Tax)しやすい電子証明書の管理方法しだい
紙で届く資料の受け取り・仕分けできない郵送物は事務所に届く
原本の確認・押印・製本できない登記書類・契約書は原本が要る
法務局・役所への持ち込みできない窓口の所在地に縛られる
顧客訪問・巡回監査出所というより外出移動の起点が事務所になりやすい
電話の一次対応事務所による代表電話をどう転送しているか

この表を見ると、答えの半分は出ています。登記や許認可を主軸にする事務所(司法書士・行政書士)は、原本と窓口が業務の中心にあるため、在宅の余地は構造的に小さくなります。一方、記帳代行や給与計算の比率が高い事務所は、在宅に振れる部分が最初から多いのです。

事務所ごとに仕事の中身がどう変わるかは、会計事務所の仕事内容は、事務所によって別物ですに整理しています。

「クラウド会計を入れているか」が実質的な分かれ目

会計事務所に限れば、在宅の可否をいちばん左右しているのは、使っている会計ソフトです。

  • クラウド型(顧問先とデータを共有する形)→ 自宅からでも同じ画面が開けます。
  • インストール型+事務所サーバー→ リモート接続の仕組みを別途入れていなければ、物理的に事務所でしか作業できません。

求人票に「クラウド会計対応」「◯◯(クラウド会計名)導入済み」と書いてあれば、それは在宅の可否についての情報でもあります。逆に、ソフト名が一切書かれていない事務所は、面接で聞く価値があります。

求人票からは読み取れないので、面接で聞く

「在宅できますか」と直接聞くのは、聞きにくいうえに「できます」としか返ってきません。代わりに、事実を聞く質問に置き換えます。

1. 「いま在宅で働いている方は、何名いらっしゃいますか」 制度があるかではなく、使っている人がいるかを聞きます。ゼロなら、制度は事実上ありません。 2. 「その方は週にどれくらい在宅ですか」 月1回と週3回では別の話です。 3. 「繁忙期はどうなりますか」 多くの事務所で、繁忙期は全員出所に戻ります。それが悪いのではなく、知らずに入ると話が違うと感じることが問題です。繁忙期がいつ来るかは士業の繁忙期はいつ?にまとめました。 4. 「郵送物や押印が必要な書類は、誰が対応していますか」 ここに答えが集約されます。「特定の誰かが毎日出所して受けている」なら、その役が回ってくる可能性があります。 5. 「パソコンは貸与ですか、持ち帰り可ですか」 顧客の財務データを扱うため、端末の持ち出しを禁じている事務所は珍しくありません。禁止なら在宅は成立しません。

面接で何を見られているかの側は士業事務所の面接で実際に聞かれることにあります。

事務所の規模でも変わる

小さい事務所ほど在宅は難しい、という傾向があります。理由は方針ではなく人数です。

  • 1〜3名:郵便・電話・来客を受ける人が常に要る。誰かが在宅にすると回らない。
  • 5〜10名:交代制にできるので、部分的な在宅が成立しやすい。
  • 20名以上/税理士法人:部門が分かれ、内勤専任の職種が置かれていることがある。「内勤の担当」で採用されると在宅の比率が上がりやすい。

規模の読み方は士業事務所の「スタッフ5名」は何を意味するのかを参照してください。

「在宅したい」が転職理由なら、順番を1つ変える

在宅を軸に事務所を探すと、選択肢がかなり狭くなります。そこで、探す前に自分の側で決めておくと結果が変わることがあります。

  • 在宅そのものが目的なのか、「通勤時間」や「家庭の事情」が本体なのか。後者なら、近い事務所・時差出勤・時短でも同じ問題が解けることがあります。
  • 担当を持つ働き方を続けたいのか。顧問先を担当する仕事は外出が伴います。在宅比率を上げると、内勤寄りの役割に移ることが多い——これはキャリアの方向を変える判断でもあります。行き先の型は士業の転職は4つの型しかないに並べました。
  • 辞める理由が在宅の有無で解決するのか。そこは一度切り分けたほうがよい部分です(会計事務所を辞めたいと思ったとき)。

探す経路によって、出てくる求人が変わる

在宅可の求人は、事務所のホームページには載っていて、大手の求人サイトには出ていないということが起こります。逆もあります。経路ごとの違いは士業の求人は、探す場所によって出てくるものが違うにまとめました。

未経験から入る場合、在宅を最初から求めると通りにくくなります。採用側は「見て覚える期間」を想定しているためです(未経験から士業事務所へ転職できるのか)。

まとめ

  • 在宅の可否は、事務所の方針より先に「業務の種類」で決まる。原本・郵送物・窓口が中心の業務は在宅にならない。
  • 会計事務所では、クラウド会計を入れているかが実質的な分かれ目。
  • 面接では「制度があるか」ではなく「いま何名が、週何日、繁忙期はどうか」を聞く。
  • 小規模事務所ほど在宅は難しい。人数の問題であって、方針の問題ではない。
  • 在宅が目的なのか、通勤や家庭の事情が本体なのかを先に切り分ける。解き方が変わります。
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