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司法書士に顧問料はあるのか|案件ごとの報酬が原則で、月額が出てくるのはどんな会社か

「司法書士 顧問料」で検索すると、税理士や社労士のときのような「従業員◯名なら月◯万円」という相場表が、なかなか出てきません。

これは情報が隠されているからではありません。司法書士の仕事が、月額に載せにくい形をしているからです。

この記事では、なぜ司法書士は案件ごとの報酬が原則なのか、それでも月額の契約が出てくるのはどんな会社か、月額を提示されたときに何を確認すればいいのかを整理します。

なぜ相場表が出てこないのか=仕事の発生の仕方が違う

顧問料という形が成立するのは、「毎月なにかが発生する」仕事です。ここが士業ごとに違います。

主に発生するものいつ発生するか
税理士記帳・試算表・決算・申告毎月+年1回(会社が動いている限り止まらない)
社労士入退社の手続き、算定基礎届、年度更新、労務相談毎月〜定期(人がいる限り発生する)
司法書士登記(不動産・商業)、供託、裁判所提出書類など出来事が起きたときだけ

司法書士に依頼が発生するのは、不動産を買った・売った/役員が変わった/本店を移した/増資した/相続が起きたといった、出来事のタイミングです。

➡️ 出来事がない月は、そもそも頼む用事がありません。 だから「毎月いくら」ではなく、案件ごとの報酬が基本の形になります。

なお、司法書士に払うお金は報酬だけではなく、登録免許税などの税金と実費が合算されて請求されます。ここを分けないと見積もりは比べられません(→司法書士に頼むと、いくらかかるのか)。

それでも月額・顧問の形が出てくる3つの場面

「司法書士に顧問はない」わけではありません。出来事が定期的に起きる会社では、継続して契約する形が合理的になります。

① 登記が繰り返し発生する会社

不動産の売買や担保設定を継続的に扱う会社、グループ会社を複数持っていて役員変更や増資が毎年のように起きる会社では、その都度ゼロから依頼するより、経緯を知っている事務所に継続で持ってもらうほうが早いという判断になります。

この場合の月額は、「相談を受ける枠」に対する対価であって、登記1件ごとの報酬は別建てになっているのが通例です。ここは必ず確認するところです。

② 相談そのものが続く場合

株主総会の議事録の形式、契約書の記載、債権回収の進め方など、登記に至る手前の相談が続くケースです。

司法書士のうち、法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」は、請求額140万円以下の簡易裁判所の事件について代理ができる制度があります。この範囲の相談が繰り返し起きる会社では、継続的な関係が意味を持ちます。扱える範囲は事務所によって違うため、何を相談できるのかを先に聞いてください。

③ 継続的な財産管理・成年後見

成年後見人などを司法書士が務めている場合、継続的に報酬が発生します。 ただしこれは顧問料ではありません。後見人の報酬は家庭裁判所が決めるとされており、事務所と価格交渉する性質のものではない点で、①②とは別物です。混同しないでください。

月額を提示されたときに確認する5点

金額そのものより、その月額が何を買っているのかで判断が変わります。

確認することなぜ効くか
月額に入っているのは相談だけか、登記まで入るかここが最も食い違いやすい点です。「登記は別途」が通例ですが、書面で確認しないと前提がずれます
実費・税金は別か登録免許税は法令で決まり、事務所を変えても金額は変わりません。月額と混ぜて説明されると比較できなくなります
相談の方法と回数(メール・電話・面談)同じ月額でも、面談が含まれるかで実態が変わります
他の士業との分担税務は税理士、労務は社労士、許認可は行政書士の領域です。司法書士に頼めない仕事を月額に含めることはできません(→司法書士と他の士業は、どこで分かれるのか)
解約の条件出来事が止まれば必要も止まります。最低契約期間があるかを先に聞く

⚠️ この記事では月額の目安金額を書いていません。 司法書士の継続契約は、税理士・社労士のように件数が積み上がっていないため、規模別の相場として示せるだけの根拠がないからです。金額は各事務所に直接確認してください。

顧問がなくても、期限で困らないようにする

顧問契約を結ばない場合、自分で期限を管理する必要があります。 特に登記は、放置していると気づかないまま期限を過ぎる種類の手続きです。

  • 登記事項に変更があったときの登記には期限が定められており(本店移転、役員の変更、目的の変更など)、登記を怠った場合には過料の定めがあります。
  • 役員の任期には上限があり、株式を譲渡制限している会社では最長10年まで伸ばせるとされています。任期を10年にした会社ほど、次に登記が必要になる時期を忘れます。
  • 相続が起きたときの不動産の名義変更にも、期限の定めが設けられています(→相続登記は自分でできるのか)。

➡️ 顧問料を払うかどうかは、「相談したいか」より先に「登記が起きる頻度がどれくらいか」で決まります。 数年に1度しか起きないなら、そのつど依頼するほうが総額は少なくなるのが普通です。 逆に毎年のように起きる会社は、期限管理ごと預ける価値があります。

まとめ

  • 司法書士に規模別の顧問料相場が見当たらないのは、仕事が毎月ではなく出来事ごとに発生するためです。
  • 月額の形が合うのは、登記が繰り返し起きる会社/相談が続く会社です。成年後見の報酬は家庭裁判所が決めるもので、顧問料とは別です。
  • 月額を提示されたら、登記の報酬が別か・実費と税金が別か・解約条件を確認してください。
  • 顧問を結ばない場合は、登記の期限を自分で管理することになります。

制度の適用や具体的な手続きは、事案によって扱いが変わります。判断が必要な場面では、司法書士会や地域の司法書士事務所など、実際に取り扱える専門家に直接ご確認ください。

ほかの士業の顧問料の考え方は、税理士の顧問料はどう決まるのかと社労士の顧問料の相場と「何が含まれるか」にまとめています。

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