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税理士の顧問料は何で決まるのか|月額だけを比べても差が分からない理由と、見積もりで確かめる6か所

税理士に顧問を頼もうとして、複数の事務所から見積もりを取ると、同じ規模の会社に対して月額が2倍以上違うということが普通に起きます。

この差は、事務所の良し悪しではありません。 ほとんどの場合、「月額に何が入っているか」が違うだけです。

そして厄介なことに、その違いは見積書の金額欄には現れません。 ここでは、顧問料を動かしている要素と、見積もりを受け取ったときに確かめる場所を整理します。

顧問料を動かしているのは、主に4つです

金額の内訳を細かく見る前に、何が値段を決めているのかを押さえてください。

要素どう効くか
①事業規模(売上・取引量)見る書類の量がそのまま増える。最も直接的
②記帳を誰がやるか会社側か事務所側かで、作業量が大きく変わる
③訪問・面談の頻度毎月/四半期/年1回で、確保する時間が変わる
④業種と、扱う論点の性質在庫を持つ・現金商売・海外取引・補助金など、確認事項が増えるもの

②がいちばん誤解されやすい要素です。 「顧問料が安い事務所」の多くは、記帳を会社側でやる前提になっています。安いのではなく、担当する範囲が違います。

月額に含まれやすいもの、別料金になりやすいもの

ここが、見積もりを比べるときの本体です。

月額に含まれることが多いもの

  • 日常的な相談への回答(メール・電話)
  • 月次または四半期の試算表の作成・確認
  • 記帳内容のチェック

別料金になりやすいもの

  • 決算・申告の報酬(いわゆる決算料。月額の4〜6か月分程度を別途とする例が多く見られます)
  • 年末調整・法定調書
  • 償却資産申告
  • 記帳代行そのもの
  • 税務調査への立ち会い
  • 補助金・融資の資料作成

🔑 決算料の扱いを確認しないまま月額だけを比べると、年間の総額が逆転することがあります。 「月額2万円+決算料20万円」と「月額3万円・決算料込み」では、後者のほうが年間では安くなります。

見積もりを受け取ったら、まず月額を12倍して、決算料を足してください。 比べるべきはその数字です。

見積もりで確かめる6か所

1. 決算料は月額に含まれるのか、別か。 別ならいくらか 2. 記帳はどちらがやるのか。 会社側でやる前提の金額になっていないか 3. 訪問・面談は年に何回か。 「随時」と書かれている場合、実際の回数はどれくらいか 4. 誰が担当するのか。 有資格者が見るのか、職員が見て有資格者が確認するのか 5. 相談の範囲。 税務以外(労務・法務)の質問はどう扱われるか 6. 金額が変わる条件。 売上や取引量が増えたとき、どの時点で見直しになるか

4番目は、事務所の規模と関係します。 人数によって仕事のかたちが変わる話は士業事務所の「スタッフ5名」は何を意味するのかで扱っています。

5番目も見落とされがちです。 労務は社労士、登記は司法書士と、扱える範囲が資格ごとに分かれています。「まとめて相談したい」場合は、事務所が他士業とどう連携しているかを聞いてください。 どの相談を誰に持っていくかはこの悩み、どの士業に相談すればいい?にまとめました。

「安い」と「範囲が狭い」を、分けて考える

顧問料が低い見積もりが出てきたとき、確認するのは1点だけです。「その金額で、誰が何をやるのか」。

  • 記帳を会社側でやるなら、その手間を誰が負担するのか(担当者の人件費が別途かかります)
  • 面談が年1回なら、期中に判断が要る場面でどう相談するのか
  • 相談が有料なら、1回いくらか

安い見積もりが悪いという意味ではありません。 記帳を自社で完結できていて、相談の頻度も少ない会社であれば、範囲の狭い契約のほうが合理的です。

問題は、自社の状態を確かめないまま金額だけで選ぶことです。料金表の読み方は士業事務所の選び方でも扱っています。

顧問を頼むタイミング

「まだ早いのでは」という相談もよくあります。目安になるのは金額ではなく、次のような状態になったときです。

  • 取引の件数が増えて、自分で記帳を追いきれなくなった
  • 従業員を雇った(給与・年末調整が発生する)
  • 融資や補助金の申請で、数字の裏付けを求められた
  • 業種特有の論点(在庫・現金商売・海外取引など)が出てきた

税理士が何を担う職種なのかは税理士は何をしてくれる?に整理してあります。会社を作る段階の手続きについては会社設立を行政書士に頼むメリットと費用の目安も参考になります。

よくある質問

Q. 相場の金額を教えてもらえますか。 A. 一律の金額はお伝えできません。 顧問料は自由化されており、事業規模・記帳の分担・訪問頻度で大きく変わるためです。個人事業と法人でも前提が違います。 目安を知りたい場合は、同じ条件(売上規模・記帳の分担・訪問頻度)を明示したうえで、複数の事務所から見積もりを取ってください。 条件を揃えれば、金額は比べられるようになります。

Q. 途中で税理士を変えられますか。 A. 契約上は可能ですが、期の途中での交代は引き継ぎの手間が発生します。 決算期を区切りにするほうが実務的にはスムーズです。契約書の解約予告期間を先に確認してください。

Q. 顧問契約ではなく、決算だけ頼めますか。 A. 受けている事務所はあります(スポット・決算のみ)。ただし、期中の記帳が整っていないと、決算時の作業量が増えて結果的に高くなることがあります。どちらが安いかは、記帳の状態によって変わります。

Q. 社労士の顧問料と比べて、どちらが高いのですか。 A. 担っている業務が違うため、単純な比較はできません。 社労士の顧問料の考え方は社労士の顧問料の相場と「何が含まれるか」に別途整理しています。両方と契約する場合は、重複しやすい業務(給与計算など)をどちらが担当するかを先に決めてください。

まとめ

  • 顧問料を動かすのは①事業規模 ②記帳の分担 ③訪問頻度 ④業種の論点の4つ
  • 月額だけでは比べられない。 月額×12+決算料で並べる
  • 見積もりで確かめるのは決算料・記帳の分担・面談回数・担当者・相談範囲・改定条件の6か所
  • 安い=悪いではない。 範囲が狭いだけのことがある
  • 見積もりを比べるときは、条件を揃えて出してもらう

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本記事は、顧問契約の一般的な考え方を整理したものです(確認日:2026-08-15)。 顧問料は事務所ごとに自由に定められており、具体的な金額・契約条件は各事務所によって異なります。 個別の税務判断については、必ず税理士にご相談ください。

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